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コラム

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寄稿《酒造りに光ファイバセンシングを活用》小松康俊(副理事長((株)渡辺製作所))

2018年7月21日

事務局長
 (株)渡辺製作所では埼玉県熊谷市の酒造メーカー権田酒造様と共同で、光ファイバセンシングを活用して酒造り過程での温度管理を徹底し、お酒の品質向上を図る取り組みを始めました。温度測定には渡辺製作所で独自に開発したBOF(Band-pass filter On Fiber-end)センサと計測システムDWPR(Dual Wavelength Push-pull Reflectometry)を用いました。BOFは光ファイバの先端に光学薄膜を蒸着法で成膜したセンサで、酒蔵のような厳しい環境でも安定した温度計測が可能になります。ただ、醸造タンクは2m以上の深さがある上に接着剤などの化学材料は使いたくないので、2m近いステンレスシースに封入した長尺センサを新たに製作しました。一方、DWPRは時分割多重方式を用いて多数のセンサを同時に計測できるシステムです。現在当社のシステム構成では最大32箇所まで同時計測可能ですが、今回は最初の実証実験でもあり6箇所のセンサを同時計測しました。DWPRシステムについては当社ホームページをご覧ください。
  長尺BOFセンサと計測システム
         長尺BOFセンサ               計測システム
 
 従来、時間を決めてタンク内を攪拌し、その都度専用の温度計でタンク内温度を計測していたのですが、実際にBOFとDWPRでタンク内の温度分布と時間変化を測定してみると、攪拌と攪拌の間で、タンク内の温度分布が時間経過と共に変化する様子が手に取るようにわかり、メーカーの方々も今まで未知だったことが分かるようになったと驚いておられました。今回は初めての実証実験ですが、今後は経験を活かし工夫を重ねながらお酒の品質向上に貢献したいと考えています。
 今回の実証実験は、一般社団法人「さいしんコラボ産学官」の仲介で進めることができました。そして、今年度は埼玉県の助成を受けることもできました。今後は更にNTT東日本様とも連携しIoTを活用してインターネットにつなげるシステムへの展開も視野に入れています。また、6月26日付日本経済新聞の「地域経済」に記事が掲載されていますのでご一読いただければ幸いです。

(株)渡辺製作所のホームページは   こちら 

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