コラム
事務局便り<No.32> 第13回シンポジウムは盛会裏に終了しました.
2025年12月1日
第13回シンポジウムは現地で約120名,また,リモートで約50名の大変多くの皆様に参
加頂き盛会裏に終えることができました.皆様のご参加・ご協力に深く感謝申しあげます.
冒頭,中村理事長からは,5月にポルトガルで開催された光ファイバセンサ国際会議(O
FS)の報告を含めて,光ファイバセンサの最近の市場・研究動向について紹介がありまし
た.
基調講演Ⅰ「光ファイバセンシングを使ったスマートインフラ」(曽我健一様(カリフ
ォルニア大学バークレー校))では、老朽化した水道管(パイプライン)の交換に伴い光
ファイバを埋め込むことで,様々な知見(断層における管路のひずみ,リークを音響で把
握など)が得られること,道路に沿って光ファイバを埋め込むことで,道路の深さ方向の
地層の状況や,交通状況のモニタリングも可能となること,また,土木・建築分野では杭
のインテリジェンス化に光ファイバセンサが役立つ可能性があることなどを実例とともに
紹介いただき,建設段階で「インテリジェンス(光ファイバセンサ)」を埋め込むメリッ
ト(施工中,維持管理段階のモニタリングおよびインフラシステムの不確実性の理解)に
言及されました.
基調講演Ⅱ「既存通信用光ファイバを活用したインフラ老朽化対策」(佐々木理様(NT
T-ME)では,通信事業者としての状況認識(資産の高齢化、メンテナンスの継続が困難)
を示したうえで,今後の事業戦略(通信用光ファイバを活用した社会インフラメンテナン
ス)について言及があり,例として,豪雪エリアにおける除雪判断,トンネル掘削工事時
の地盤振動検知について紹介されました.また,最近の八潮陥没事故を受けて,「光ファ
イバセンシングによる地中空洞検知プロジェクト」が開始され,最新の計測結果について
説明がありました.未来の社会インフラメンテナンスのためには,シェアリング(仕組み,
データ,担い手)が重要であることを最後に協調されましいた.
基調講演Ⅰ,基調講演Ⅱとも,会場およびリモートから大変多くの質問が寄せられ,関
心の高さを感じられました.
「デモ機/ポスター並びに実用センサ見学・体感コーナー」では,デモ機展示・パネル/
ポスター展示に10社が展示を行い,多くの皆様が熱心に各展示ブースでの説明に耳を傾け
ていました.
昨年に続き企画したパネルディスカッションでは,「ダークファイバでインフラを見守
る」をテーマに,自前のケーブルを所有する事業者やそれを利用する企業/大学から7名の
パネリストに参加いただきました.冒頭,インフラ管理の社会的ニーズと動向について紹
介があり,続いて,具体的な用途(管渠内センサ(変位、地中空洞検知),強磁場環境下
でのコンクリート動ひずみ計測、盛土の健全性評価,国道地盤の軟弱性の評価,スマート堤
防の開発)について紹介いただき、それらに関する課題についても議論いただきました.
本パネルディスカッションを通じて,より具体的な用途への光ファイバセンシングの適用
が検討されていくものと感じました.
シンポジウム終了後の技術交流会(名刺交換会)には約85名の参加を頂き、新技術・ビ
ジネスに関する情報交換など大いに盛り上がりました。
来年も、皆様に興味を持っていただけるようなシンポジウムを企画しますのでご期待く
ださい。
(事務局長)
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会場の様子 基調講演Ⅰ(曽我先生)

基調講演Ⅱ(佐々木様) 展示の様子(会議室)

展示の様子(ホワイエ)
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パネルディスカッション





