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コラム

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事務局便り<No.11> 鹿島建設(株)技術研究所の見学会を開催しました。

2018年7月10日

事務局

 2018年7月6日、鹿島建設(株)様のご厚意により技術研究所(西調布実験場)の見学会を開催させていただきました。当日は雨にもかかわらず、会員30名の皆様が熱心に実験場の見学および講演の聴講に参加されました。
 鹿島建設(株)は建設業界初の技術研究所を1949年に創立して以来、絶えず変化する社会のニーズ・時代のテーマに応える幅広い研究開発のために、大型構造実験棟、高性能3次元振動台、風洞実験室、耐火試験炉、無響室など、最先端の技術と設備で地盤環境、耐震、耐火、耐風、コンクリート素材等について研究されています。
 見学はコンクリート・風洞実験棟から始まり、その入り口には様々なコンクリートが展示されていました。近年のコンクリートに関する研究は、高性能化、高機能化、生産性向上、長寿命化などが主流とのこと。風洞実験室は、高層ビル周辺の風環境(風圧、風力、ビル風、風切り音)評価などに利用されており、測定部断面は建設業界で最大級を誇り、最大風速40m/sでの実験が可能となっているそうです。大型構造実験棟では、様々な大型構造物や耐震上重要な構造物の強度や安全性を大型アクチュエータや自動制御油圧ポンプを用いて調べているもので、その大きさ・迫力には圧倒されます。また、実物の免震建物を見学させて頂きました。
 その後、光ファイバセンサの建設分野への適用を推進されている今井様(鹿島建設(株)技術研究所主任研究員)より、講演「鹿島建設における光ファイバセンサ研究の取り組み」を頂きました。講演では、“光ファイバセンサ”は『100年をつくる会社』にふさわしい技術であり、土木工学と電子工学の融合を目指したシビオニクス(シビル+エレクトロニクス)という観点から開発を進めていること、光ファイバセンサは15年前に比べて計測技術の進展以上に周辺技術が進歩してきており、“維持管理”からのフィードバックによる“設計の合理化”への貢献が期待されていること、ハイプサイクルにおける黎明期(技術の引き金)・流行期(過剰期待)・幻滅期(幻滅のくぼ地)を経て、今は蒙活動期(啓蒙の坂)にあるのではないか、また、今後への期待として、振動(時間軸)計測を含む4D計測やインフラ・インフォマティクスとしての展開など、多くの実験事例(BOTDR(Brillouin Optical Time Domain Reflectometer)・BOCDA(Brillouin Optical Correlation Domain Analysis)分布型ひずみセンサを用いた、アスファルト構造物、繊維補強コンクリート橋、PC(Prestressed Concrete)鋼線の張力(橋、グランドアンカ)、RC(Reinforced Concrete(鉄筋コンクリート))床版等のモニタリング)を紹介される中で、多岐にわたるお話をいただきました。
 
鹿島建設(株)見学会

 ご多忙のところご協力頂きました、鹿島建設(株)研究所 先端 ・メカトロニクス 露木グループ長様、今井主任研究員様、平野主任研究員様、研究管理グループ様に深く感謝申し上げます。
                                  (事務局長)

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