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コラム

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事務局だより<No.10> 東京大学・影山和郎教授 最終講義に参加して

2018年3月19日

事務局
 当協会のアドバイザリボードでもあり、本年3月31日をもって東京大学を定年退職される影山和郎教授の最終講義が2018年3月13日(火)に開催されました。
 影山和郎教授は、1988年に東京大学に奉職以来、約30年にわたり複合材料工学と技術経営戦略学に関して教育・研究に尽力されてきました。この間、工学系研究科、産学連携本部の要職を務め、また技術経営戦略学専攻設立時から中心的な役割を果たし、東京大学に貢献されてきました。また、長きにわたる研究活動の中で、我が国の複合材料工学の発展を支えてこられました。
 
最終講義「私が関わった八つの数式と技術開発学」では、、、
 自らの研究を振り返ると、“現象を理解しそれを数式で表現すること”でアカデミアへの貢献を果たすことができたとのことで、八つの数式についてその意義を説明されました。八つの式の1つが光ファイバドップラセンサ(FOD:Fiber Optical Doppler)に関するもので、研究途上で偶然興味深い現象を発見し、湾曲した導波路を伝搬する光のドップラー効果を理論化、その後、この技術は事業化され(株)レーザック(当協会正会員)が2002年に設立されました。
 研究開発成果の社会に対する還元(貢献)では、技術経営戦略学専攻の設立、BOTDRによるアメリカンズカップ艇の構造ヘルスモニタリング、(株)レーザック製品の社会への実装、革新炭素繊維基板技術開発をあげられました。
 最後に、日本のベンチャーがうまくいかないのは失敗したあとのフォローがないためであり、失敗しても帰ってこられる場所を提供するのが今後の課題であるとの指摘をされました。
 
 影山教授は、東京大学を退官後、金沢工業大学(虎ノ門キャンパス)高信頼ものづくり専攻教授として、炭素繊維と複合材料の研究開発および技術開発学の研究を継続されます。     (事務局長)

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