施工保守編<その2>
14_FBG方式での設計・施工の留意事項は何ですか
FBG方式の主な特長は以下のとおりです。
• 測定時間が短い。特に最近の測定器には応答性が500 Hz以上のものもあり振動などの動的計測も出来るようになっている。
• 水位計、傾斜計など目的に応じた多種類の計測センサ部を組み合わせた計測が出来る。
• 通信用と同じシングルモード光ファイバを使用する。
• 測定器から約30 km離れた場所でも計測が可能である。
鋼材やコンクリートといった測定対象物の表面に、FBGセンサを直接貼り付けて計測を行うことも出来ますが、その場合、接着剤を必要以上に厚く塗りすぎると測定対象物とFBG自体の間に接着剤による緩衝部が形成され、歪が正確に伝わらないので注意する必要があります。
FBGを組み込んだ計測センサ部を設置する場合、材料手配、組立、検定と補正などに時間がかかるのであらかじめ余裕をみて工程を立てておく必要があります。おおむね発注してから2~3ヶ月はかかるのが普通です。
また、FBGセンサを波長で区別する波長分割多重(WDM: Wavelength Division Multiplex)計測方式においては、FBGセンサやセンサ部を直列で多く繋げる場合、センサの使用波長と測定範囲を考慮して、歪によってずれた反射光同士が重ならないように一本の光ファイバにつなぐセンサの個数を決定します。ただし、FBGセンサを波長で区別しない時間分割多重(TDM: Time Division Multiplexing)計測方式のFBGセンサについては波長の重なりを考慮する必要はありません。
図1 波長分割多重方式でのFBG計測
図2 時間分割多重化方式でのFBG計測