基礎編<その4>
27_光ファイバジャイロはどのように計測を行いますか
ジャイロは、慣性空間に対する回転を測るセンサのことです。現在、宇宙開発、航空、航海、石油探索から、ロボット、自動車、TVゲーム にまで、幅広く応用されています。
光ファイバジャイロは、サニャック効果(図1)という原理に基づいたセンサです。
サニャック効果というのは、光路の運動によって光路の長さが変わったかのように見える現象のことです。これは、光路中を進む光の速度がその光路に無関係に一定であるという相対性理論の法則に基づいています。
特に、光が回転する円形の光路を進む場合には、入射した光が出口に達するまでに出口の位置が変わりますが、光の速度は変わらないために光路の長さが変化したことになります。 そのため、光が出口から出てくる時間差や位相差が、光路の回転速度に比例するのです。
図1 サニャック効果
この原理を用いて、高性能の光ファイバジャイロが開発されています。それらは大きく3つのタイプに分けられ、それぞれ、
■ 干渉型光ファイバジャイロ(Interferometer Fiber Optic Gyro: I-FOG)■ 共振型光ファイバジャイロ(Resonator Fiber Optic Gyroscope: R-FOG)■ ブリルアン型光ファイバジャイロ(Brillouin Fiber Optic Gyroscope: B-FOG)
と呼ばれています。
干渉型光ファイバジャイロは、すでにボーイング777などの航空機にも使われています。
図2 干渉型光ファイバジャイロ(I-FOG)
図3 共振型光ファイバジャイロ(R-FOG)
図4 ブリルアン型光ファイバジャイロ(B-FOG)