施工保守編<その3>
27_光ファイバセンサの費用は高いのではないですか
光ファイバセンサの費用は、センサの種類によりますが、一般的に同種の電気式センサと比較するとセンサ本体は割高です。しかしながら、センサシステム全体から見た場合には、電気式センサシステムよりもローコストになる場合もあります。
下図は、浸水検知センサ(液面検知センサ)のシステムを例とした場合の構成です。電気式センサシステム、光ファイバ式センサシステムのおのおのの構成例を示しています。基礎編<その2>11 「光ファイバセンサの特長は何ですか」で説明したように、光ファイバセンサは、センサ設置個所の電源設備が不要であり、耐雷トランス、避雷器といった耐雷対策装置や情報伝送機器などのセンサ以外の付帯設備も不要となるのでシンプルに構成できます。また、これらの機器を収容する局舎/収納箱も不要となり、さらに、これらの設置工事費も不要となります。
図1 センサのシステム構成例
電気式センサでの構成例
光ファイバセンサでの構成例
図2 センサシステムの装置構成例
また、これら付帯設備が多いことは点検などの維持費用も多くなり、落雷などで破壊された場合には機器の交換費用も、より多くかかります。さらには、構成する機器の数が多いと、故障率も高くなり、メンテナンス費用も大きくなります。光ファイバセンサは、センサ設置個所にはガラスのセンサのみが設置されますので、壊れることはほとんどありません。そのため、管理者の導入後の管理の手間やランニングコストを、電気式センサに比べて、より低くすることができます。
電気式センサとのセンサ単体でのコスト比較だけではなく、センサシステム全体の導入・維持コストとして比較した場合、特に広域モニタリングシステムでは、システム全体としてローコスが期待できます。