基礎編<その3>
25_ファラデー近接センサの計測とは
図2に示すように、センサは非球面レンズ、複屈折素子(ルチル)、ファラデー素子、反射ミラーなどから構成され、センサ先端部に配置したファラデー素子が受ける磁場の強さに従って、反射光の有無、すなわち光強度に変換されます。センサ内部の光学素子の配置により、表1に示すa接点型、b接点型の両極タイプの構成が可能です。
表1 センサタイプと反射光量
図1 ファラデー効果による偏波面の回転
図2 ファラデー近接センサの構造
ファラデー近接センサは、磁石の配置に「仕掛け」を施すことにより、雨量計、液面センサ、落石センサなど、各種センサを作ることができます。
雨量計は磁石を転倒ますに連動させた構成(図3)、液面センサは磁石をフロートに組み込んだ構成(図4)、落石センサは磁石を落石検知用のワイヤーに連結することで実現します(図5)。
更にOTDRをセンサ検出として用いたシステム構成では、監視対象の異なるこれらのセンサ情報を同一の光ファイバラインで一度に計測することができます。
図3 光センサ式雨量計の構成
図4 液面センサ構成
図5 落石検知センサ構成
センサの利用形態は2種類あり、監視する点数により選択します。まず、多点配置したセンサ情報をリアルタイムに計測する光ファイバセンサの特徴を生かしたシステム構成を図6に示します。
このシステムでは、センサの検出器としてOTDRを使い、センサは幹線の光ファイバにカプラを介して接続されます。現在では、冗長性を確保した周長25 kmのループ構成網も実現されています。最も簡便に使うには、図7に示す光源と受光器からなる検出器を使います。
1心の光ファイバに液面センサ、雨量計など異なる種類の
センサを接続し、リアルタイム監視が行える
図6 センサの利用形態(OTDR方式)
図7 センサ利用形態(LD-PD方式)