基礎編<その2>
08_光ファイバセンサシステムに使用する光源は
光ファイバセンサシステムに使用される光源は波長帯域の狭いもの(LD、波長可変LDなど)と広いもの(ASE光源、SLDなど)があります。光ファイバセンサシステムの測定方式により必要とされる光源が決まります。
1.LD(Laser Diode)(半導体レーザ)
LDは光ファイバ通信用の光源や光ディスク用として大量に使用されています。半導体中のキャリア再結合による発光を利用したレーザです。共振器構造を有していて、光の誘導放出が起こり、スペクトラム線幅の狭い光となります。使用する材料や製造方法によりブルーレイ用の青紫から赤外までの各種波長に対応しています。
2.波長可変LD
波長可変LDは外部共振器を利用したものや、複数のLD素子を組み合わせて、温度や駆動電流などを制御して波長を可変するものなどがあります。また単体素子でも波長を高速に可変できるものもあります。
3.SLD(Super Luminescent Diode)(スーパルミネッセントダイオード)
SLDはLD素子の端面の反射率を落として発振状態にしない自然放出光を発生させます。LDに比べると発光効率は落ちますが、半値幅の広い広帯域の光を発生できます。
4.ASE光源(Amplified Spontaneous Emission)
ASE光源の本来の意味は自然放出光をさします。しかし以前から、長距離光通信に使用しているエルビウムドープファイバを励起したときに生じる自然放出光を利用した光源をASE光源と呼んでいました。最近では上述したSLDによる広帯域光源もASE光源と呼んでいます。
5.LED(Light Emitting Diode)
LEDは、青色が実用化されて以来、表示用以外にも照明用途などで大量に使用されています。基本的な原理は、半導体中のキャリア再結合による発光ですが、LDと異なり共振器構造を持たないため自然放出光であり、線幅の広い光源となります。各種物質の組み合わせで様々な光の色(波長)の発光をさせています。ただし光の出力は強くないため光センサシステムへはあまり使用されていません。
図1 各種光源のスペクトラムイメージ図