基礎編<その3>
24_BOFセンサはどのように計測をおこなうか
図1 BOFセンサ
誘電体多層膜は蒸着またはスパッタにより形成されます。光を光ファイバに入射しBOFからの反射光を観測すると、バンドパスフィルタの特性を反映して中心波長で反射率が低くなり、横軸を波長、縦軸を反射率として図2のようなV字型のスペクトラムを描きます。
BOFの温度が上昇すると多層膜を形成する誘電体材料の屈折率が高くなり反射率のスペクトラムが長波長側へシフトします。
シフト量は温度変化と一対一に対応していますので、シフト量から温度変化を求めることができます。また、BOFに膜に垂直な圧力が加わると、膜厚がわずかに薄くなり中心波長が短波長側へシフトしますので、シフト量から圧力を求めることができます。
図2 BOFセンサのスペクトラム変化
DWPR方式(4-1-23参照)で中心波長のシフト量を求めるには、中心波長をはさむ2つの波長λ1、λ2を設定し、この2波長での反射率を求めます。
中心波長が温度や圧力によりシフトすると、図2からわかるように、λ1の反射率が大きくなる時にはλ2の反射率が小さくなり、2波長の反射率がプッシュプルに変化します。
そこで反射率の比を求めると比からスペクトラムシフトを求めることができます。実際にはスペクトラムシフトは求めず、校正曲線を用いて比から直接に温度、圧力を求めています。