施工保守編<その1>
10_環境特性を総合的に検討することについて
環境特性を、化学的反応性、力学的反応性、物理的反応性、生物による害と自己変質性を視点として述べました。これらの現象は複合的かつお互いに加速させる現象として発現する場合が多いのです。最終的にはその環境に曝してみないと耐久性の精度の高い評価はできないのも事実ですが、これまでの工業的適用に際して不具合を起こし様々な解析が行われ技術が蓄積されています。一例として、金属内部に内部応力が残存し腐食環境に曝されると応力腐食割れが発生しますが、対策として金属を焼鈍し内部応力を除去することにより改善することが知られています。このような技術は各産業分野で多岐に渡り蓄積されています。したがって、環境特性を総合的に検討する際は以下の点に留意して下さい。
(1) 納入側および導入側で耐久性に関する検討を必ず共同の場で行うこと
(2) 納入側は他の産業分野で得られた耐久性に関する技術を、導入側はみ ずからの産業分野における耐久性に関する技術を開示すること
(3) 耐久性に関する事前検討に手を抜かないこと
(4) 実際の環境特性は事前検討では把握できなかったことが生じることを相互に理解し、保守点検の必要性とその内容を決めること
(5) 緊急の対応内容を相互に確認すること