基礎編<その2>
11_光ファイバセンサの特長
光ファイバセンサの最大の特徴は「センサ部が光ファイバ/光部品で構成されていること」で、例えば、光ファイバセンサのひとつであるFBGも光ファイバ自体に微細加工を施したガラスの素子で、光ファイバの端面に積層膜を施したBOFセンサや磁石の近接を検知するファラデー近接センサもセンサ部はガラスで構成されています。
また歪や温度の分布を計測できる「分布型光ファイバセンサ」も光ファイバ自体をセンサとしています。
センサ部をガラスで構成しているので、光ファイバセンサは以下のような特長を有しています。
■ センサ部に給電が不要で、停電に影響されない。■ 電子部品を利用しているセンサと比べて故障しにくい。■ 落雷や電磁誘導ノイズに強い。■ 故障率の低い、長寿命のセンサシステムを構築できる。■ 情報伝送機器、電源設備、配電線の引き込み、避雷器等の
付帯設備が不要となり、導入コストが安価となる。
■ 1心の光ファイバに多点にセンサを接続することができる。■ 光ファイバの長手方向の分布計測ができる。
このような特長は、水位計、雨量計、光浸水検知など、停電や厳しい環境下に広域・多点に設置される防災センサとして有効です。壊れにくいという特長は、導入後の保守に要する労力とランニングコストの低減に繋がります。
図1-1 従来センサでのシステム構成例(気象観測)
図1-2 光ファイバセンサでのシステム構成例(気象観測)
また、光ファイバ自体をセンサ線として分布計測が可能なBOTDRやROTDRの場合は、光ファイバを計測対象物に一本取付けるだけで、光ファイバの長さ方向に沿った歪や温度の分布を計測することができるため、図2に示すトンネル、図3に示す橋梁や送電線路などの温度や歪の計測に適しています。
図2 トンネルの変状(歪)計測
図3 橋梁および高速道路などの変形(歪)計測